No.7

角噛み


Xfolio再録

かぷかぷ、かぷかぷ。
敢えて擬音を付けるなら、そういった感じになるだろう。
……端的に言えば、今の僕は酔ったズオさんに角を甘噛みされている。

「しゃおほーの髪、いい、におい……」
「……っ、く」

ズオさんは無我夢中なのか……角に舌を這わせ始める。
いったい僕の角を何だと思ってるんですか、と尋ねたいくらいだ。

「ちょっと、ズオさん……ッ」
「駄目……ですかぁ……?」
「ダメです!というか羽交い締めにするのやめてください!」
「しゃおほーは、けちですね……」

吐息混じりの呂律が怪しい声が、耳元で響く。
それも腰にくるから、つくづく僕も彼に絆されたと……声を堪えながら、思う。
……その時だった。

「けちなしゃおほーには、おしおきです……」
「え、ズオさん、まってくださ……ぁあ、あ、まって」

角の付け根を舐め回される。
僕にとってそれは未知の快楽だったし、ズオさんはそんな僕を見て、嬉しそうに笑っている。

付け根から先端に向けて舐め上げられて、また甘噛みされ、付け根を舐められる。
それを何度も繰り返されて……からだが、よったみたいに、とても、あつくなってきて。
……もう、げんかい、かも。

「ずお、さん」
「しゃおほー……?」

うわごとのような、ねだり。
ああ、もう、がまんなんて、むり。

「……せきにん、とってください……」

そうしてぼくは、りせいをてばなした。

アクナ,禾烛禾SS,